2016年10月02日

学術雑誌にも振り込め詐欺が

論文をひとつ書くと、様々な Journal から、「うちでもひとつ書いてくれ」という依頼の email が多数舞い込んでくる。自分の論文が注目されたのかな、などとうぬぼれる前に、依頼をしてきた出版社のホームページをよく読んでみると、目立たない場所に例えば「Open access 形式の journal のため、出版には $2,000 が必要」などと書かれていることがある。極端な場合は、それすら書かれておらず、投稿の段階で金銭を要求されることもあるようだ。

Open access そのものが悪いわけでは無論ない。しかし、それを悪用するのは詐欺である。

コロラド大学の Jeffrey Beall という人が、そのような悪質な出版社および Standalone journals をリストにし、公開している。「悪質」の定義はここ(pdf)で細かく記載されている。

悪質な出版社の中には、例えば Omics international という出版社がある。この出版社からは例えば Gynecology & Obstetrics という Journal が出ている。Omics international のホームページを調べてみると、Gynecology & Obstetrics の Journal Impact Factor は 1.52 とされ、ご丁寧に Citations report などいう紛らわしい記載まであるが、これらはもちろん我々におなじみのトムソン・ロイターによる Impact factor とも、Journal Citation Reports とも関係がなく、Omics international が独自の方法で点数をつけているものだ。確かに怪しげである。しかし、この出版社が Jeffrey Beall にこき下ろされている点は、急速に他社や雑誌を買収して傘下に入れ、本来は学術的であった journal を「incorporating them into mega-fleet of bogus, exploitative, and low-quality publications(とてつもなくインチキで、搾取的で、質の低い出版に引きずり込んでいる)」からだ。この出版社から出ている多数の journal の Editors in chief のページを見ると、高名な日本の学者も名を連ねている。Omics international の傘下に入ったからといってすぐに journal の質が落ちるわけではないだろうが、彼ら editor は、出版社からの利潤追求のプレッシャーと戦いながら仕事をしているかもしれない。

また、怪しげなStandalone journals の中では International Journal of Obstetrics and Gynaecology Research という雑誌がある。これは、真面目な学会誌であるThe Journal of Obstetrics and Gynaecology Research と名称が非常に類似している。産婦人科関連では、他には例えば Journal of Research in Obstetrics, Gynaecology and Infertility という雑誌も挙げられている。

怪しげではない、Impact Factor がついている学術的な産婦人科関連雑誌のリストはこちら

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2016年07月27日

『婦人科がんの化学療法-改定第2版』

『婦人科がんの化学療法-改定第2版』を発行しました。

こちら



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2015年11月15日

化学療法中の GnRH analogue 併用による卵巣機能温存

 化学療法中のGnRH analogue GnRHa)併用による卵巣機能温存は、ASCOのガイドラインでは、信頼に足るだけの根拠がない、としている(参照

  たしかに、Lymphomaなどの化学療法時にGnRHaを併用しても卵巣機能温存効果はいまのところ認めないようだ(参照参照)。しかし、乳癌を対象としている場合、meta-analysisでも参照参照)、第3相臨床試験でも(参照)、わずかな有意差ながら卵巣機能温存効果および妊孕性温存効果を認める。積極的に勧めるというほどの根拠でもないように思うが、何らかの理由で卵子凍結などの方法を行うことができない場合には、簡便なので試してみてもよいかもしれない、という程度のことは言えると思う。

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2015年10月11日

Amazon 売れ筋ランキング1位獲得

本日の時点で、拙著『婦人科がんの化学療法:基本方針とレジメン集』が、「Oncology」(洋書部門)の売れ筋ランキングで1位を獲得しました。→こちらを参照
posted by Junji Mitsushita at 22:13| Comment(0) | 婦人科がんの化学療法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする